お吉

島津亜矢( 島津亞矢 ) お吉歌詞
1.お吉

作詞:志賀大介
作曲:村沢良介

(台詞)
ひどい!ひどいじゃございませんか
いくら私がハリスさんの処へ行く事を
承知したからといって…

涙を積み荷の 黒船が
おんなの運命(さだめ)を変えました
浜に浜木綿 咲いたけど
泣いて爪噛む 爪木崎
伊豆はしぐれる 下田は曇る
ああ お吉は 辛(つ)ろうございます

鶴さんそりゃァ あんまりだァ
たとえ 天城の山が崩れても
このお吉を 離すもんかと言った
あれは嘘だったのかい
あゝ こんな哀しい筋書きを 誰が書いたんだい
夢さ 夢にきまってるよ…

お酒よおまえに 罪はない
この世の仕組みに 毒がある
うわさ指さす 石つぶて
耐えて下田の 糸やなぎ
生きる証の 灯りがほしい
ああ お吉に 明日は見えません

(台詞)
あゝ お酒がほしいよう
お酒で何もかも 忘れてしまいたいのさ
愚痴も涙も涸れ果てました
あゝ あたしの人生って なんだったんだろうねぇ

名もない路傍の 草だって
季節が巡れば 春の顔
破れ三味線 黄八丈
泣くな下田の 明け烏
夢の続きは あの世とやらで
ああ お吉は もう泣きません

(台詞)
あゝ 寒い… 鶴さん 今行くからね


2.旅笠道中

作詞:藤田まさと
作曲:大村能章

「人間 おぎゃアと生まれて思う様に
生きられる者は
一体何人おりましょう
上を見ればきりがない
下を見れば我慢もできる
近道なんかするよりもせめて
おのれの心に嘘をつかず
生きてみたいと思います」

夜が冷たい 心が寒い
渡り鳥かよ 俺等の旅は
風のまにまに 吹きさらし

風が変れば 俺等も変る
仁義双六 丁半かけて
渡るやくざの たよりなさ

「明日がない
夢がないと仰るんですかい
そりゃ一寸先は闇の浮世と云いますが
ごらんなさい道端の
名もない小さな花でさえ
春が来りゃぁ世に出ます
この人間界(うきよ) まんざら捨てたもんじゃ
ございませんぜ」

亭主もつなら 堅気をおもち
とかくやくざは 苦労の種よ
恋も人情も 旅の空